奏法は選べない

今回は奏法を変えることについて書いてみます。


体の条件で奏法が決まります。

「あなたの体の条件だと、この奏法しか無理です」と強制的に指示されてしまうのです。


日本人の体だと完全なロシアピアニズムは難しい人が多いと思います。


本物のロシアピアニズムはとてもシンプルなもので、「支え」という機能で弾いてます。

技術全体の中で、機能の割合が高いのです。


機能は条件で決まります。

技術だけなら練習でどうにかなりますが、機能に関してはどうにもならないのです

頑張れば出来る身体操作というものではないと思います。

なぜなら無意識の反射のようなことは、意識的に操作できないからです。


人工的な、意識的な、能動的な技術の割合がとても低い天才の演奏。

それを言葉で表したのが、ロシアピアニズムだったのではないでしょうか。


真逆の日本人の体のままロシアピアニズムを単なる型としてやると、かなり大変だと思います。

ロシアピアニズムの座り方、姿勢、手のポジション、鍵盤のタッチ、支え、そういった肉体で意識しなければいけないことが多過ぎる。


さらにピアノという道具を使って、出す音も意識しなければいけない。


ロシアピアニズムは複雑だ。と感じるなら、それはロシアピアニズムのモノマネかもしれません。


条件が悪ければ悪いほど、選べる奏法は少ないです。

選択肢がありません。

そして、その奏法だと表現できる幅が限られてしまいます。


なんだか夢も希望も無い記事になってしまいましたが、条件というものは変えられる。

生まれつきのものではなく流動的だ。というのがビートの考え方です。

その方法を教えています。


出来ない人は努力が足りないから出来ないわけじゃない。

みんな頑張ってる。

努力しても条件が悪いから頑張っても出来ないだけ。

じゃあ条件を改善しよう。と考えています。