パッシブムーブメントとは、意志の力で体を動かすのではなく、体が受動的に動かされるということです。
あらゆるスポーツ、ダンス、歌、演奏の天才と呼ばれる方々は例外なくこの動かされる身体を持っています。
残念ながら、日本には努力して無理を重ねた身体で優秀な成果をあげている方はいますが、この身体を持っている方は殆どいません。
ビートでは天才と言われる方の身体を研究し、その身体感覚を物理的に再現出来る方法を生み出しました。
どの分野であれ努力しても自分自身の生まれ持った才能の範囲内まででしか上達しませんが、パッシブムーブメントを取り入れ、身体の機能を根本的に変えることで、才能そのものをレベルアップし、別人のように進歩することが出来ます。
ビートの考え
日本人の骨格に合った指導をするべきか?
白人の身体感覚に沿うように指導をするべきか?
形や動きを表面的にまねしても全く意味がない、骨格が変わらなければ白人の身体感覚にはならない。そもそも骨格や筋肉の質は変えることが出来るのか?
トレーナーの北さんと何年もありとあらゆる研究、実験をした結果分かったこと。
①骨格や筋肉の質を、白人の身体に近づけることは可能。
②身体条件を整える、立ち方を変えるということは、バレエ、芸術、スポーツにとってあらゆる面で非常に有利であるということ。
③自然に存在するものは、振り子によるリズムで出来ているということ。
④そもそもバレエは受動で動かされる自然な物理現象であり、パッシブムーブメントである、ということ。
身体の条件を整えることはバレリーナを目指す人だけに重要なわけではありません。
ありとあらゆる可能性を広げていくことにつながります。
特に子供は、いろいろな可能性をもっています。幼いうちにそれを広げておくことはどれだけの財産になるでしょう。
立ち方の違い
膝の曲がった日本人と膝の反った白人は、骨格的に脚のラインが反対です。
両者の立ち方はまったく違います。
立ち方自体が完全に反対なのです。
ですから体のシステム、機能もすべて反対になります。
日本人
脚の外側で立つ、足裏の重心が動作に対応せず固定されている、体をジグザグにして足の真上でしか立てない、関節が曲がる、下に沈む、筋肉が緊張している、内にちぢむ、末端しか使えない、外から内にちぢむ回転、みぞおちから上のひねり、全身を固めて使うから部分的には動かせない、海外のメソッドにあてはまらない
白人
脚の内側で立つ、足裏の重心が動作に対応して移動できる、体がメトロノームのように斜めに立てるから上半身が動く範囲が広い、関節が伸びる、上に伸びる、筋肉がリラックス、外に広がる、中心が使える、内から外に広がる回転、下半身からのひねり、体を部分的に使えてなおかつ全身を1つのまとまりとしても動かせる、海外のメソッドにあてはまる
ビートの目指すバレエ
バレエは元々生まれ持った身体の条件が大事だと思ってはいませんか?
条件が整ってない人は、踊るのが難しいと思っていませんか?
そんなことはありません。
身体の条件は変えていけるのです。
バレエを踊ってる方の中には条件が整わない身体のまま過度のストレッチや無理な筋トレで身体を痛めてしまってる人も多いと思います。
ストレッチや筋トレやバーレッスンより先に身体の条件を整えなければ、間違えた部位を柔らかくしたり強くしたりすることになってしまいます。
なので、ビートではまず身体の初期設定を一番大切にしています。
初期設定とは、重力や振り子の原理を利用して、ストレスなく踊れる身体を作ることです。
その身体が出来てしまえば、正しく床を踏めるようになり、上に伸びる感覚が掴めます。
この感覚を引き上がると言います。能動的に頑張って引き上げるではなく、受動的に自然と引きあがる、が正しいのです。
甲が出ちゃう、土踏まずが使えちゃう、膝が伸びちゃう、ターンアウトしちゃう、が正しいのです。
決して自らの意志の力で動くのではなく、重力に自然に動かされるのです。
このように動かされると、自身の骨格が奏でる振り子のリズムが生まれます。
身体から生まれるビートを感じるということです。
あなたのピュアな個性が出てくるのです。
それが本当の自己表現だと私は思ってます。
そうなると人と比べ争う必要がなくなるわけです。
どの人の踊りも違って個々に強く光るはずです。
とても平和的ではないですか?
これがバレエスタジオビートの目指すバレエです。
踏めてない日本人の立ち方
積み木をジグザグに倒れない様に積み上げた立ち方
左右の矢印からはみ出ると倒れてしまう
踏めてる白人の立ち方
しなる様に上に伸びる
左右の矢印まで身体を倒しても倒れない