鋼の踏み方、ピンの踏み方

ピン接合とは、節点が自由に回転するように接合する方法です。

固定されていないので、曲げる力を伝えません。

トラス構造やブレース構造に使われます。


重要なポイントは地震などの外力に対し

・鋼接合は柱に曲げる力が発生する=体幹が曲がりやすい。

・ピン接合は柱に曲げる力が発生しない=体幹が曲がらない。ということです。


しなりを転がす踏み方は、床と足裏がピン接合です。


このタイプは構造的に強いです。

その強さは筋力ではなく機能から由来するので、全身の機能を整えて完璧な状態にすることが重要です。


以前、甲出しには足首、股関節、肩関節の回転が大切だ。とブログに書きましたが、全身がピン接合の回転をしなければなりません。

必要なのは筋力強化トレーニングではなく、関節の回転を良くすることです。


体幹が強いので体幹トレーニングの必要はありません。

正確には体幹が強いというより、体幹に折れ曲がる力自体が加わらないのです。


しかし、全身の相互関係で動いているので1箇所でも回転の悪い関節があると、他の関節も連鎖的に機能しなくなってしまいます。


1箇所が悪くなると全体が悪くなる、1箇所が良くなると全体が良くなる。


そういう体なので感覚は鋭くなります。

だから自分の体に良い影響を与えるレッスン、ストレッチ、筋トレ、ケアが明確にわかるので、加速度的に体をバレエ向きの方向に変えていけます。

どんな資格を取るより、どんな勉強をするより体に対する理解が深まります。


また不具合のある部分にすぐ気づきますから怪我はしにくいと思います。

不具合があるまま、無理して踊ることが出来ないからです。


このタイプの指導者であれば、生徒の動きに違和感があれば「○○関節の動きが悪いから△△に負担がかかって☓☓筋を使い過ぎている」というようなことがわかるので、全身の相互関係から改善していくことが出来ます。 

また、ピンの体で生徒の体にさわると、生徒の体の回転の悪い部分(エネルギーの途切れている部分)がわかります。


相互関係で動く時に邪魔になるのが「バレエの型に近づけよう、綺麗に踊ろう」という意志の力です。


回転する力=体重移動の転がりに対して無抵抗でなければピン接合にならないからです。


だからビートは受動バレエ、パッシブムーブメントなのです。