コーギーの断尾から考えるバレエの規格

前回の続き。

 

バレエの規格に対する2つの考え方。

 

1,まず体を規格に当てはめていき、その規格に近い動きが自分なりに出来そうな体の使い方を探す。

 

2,体の使い方を変えていくうちに自然と規格に近付いていく。

 

多くの人達は前者を選びます。

5番にきっちり入れれば、ターンアウトすれば、つま先を伸ばせば、それでバレエになるんだ。という考え。

 

ビートではそれとは逆で、体を人間本来の自然な状態に変えていけば、勝手にバレエの規格に近付いていく。と考えています。

ちょうど昔のイタリアでバレエが産まれた時のように。

 

約400年前のバレエ誕生の瞬間を考えてください。

その時に型はありません。

 

例えばエポールマンなら。

曲線で踏むことにより脚が外旋し、外旋することにより螺旋が生まれ、体に対角線ができることで受動的に体の内側からエポールマンが産まれたのです。

 

これが本来のバレエです。

だからバレエはパッシブムーブメントなのです。

 

バレエの動きは、もともと人間の体の中に眠っていて、ある条件が整った時にバレエは表(おもて)に現れるのです。

その後で、テクニックを伸ばしていけば良いのです。

 

決して規格が先ではありません。

型を覚えただけでは単なるモノマネです。

現代のバレエは進化したように見えるかもしれません。

でもそれが単なる規格なら、400年前のバレエ誕生の瞬間と比べて本質は何も進化していません。

モノマネが高度になっただけです。

モノマネが高度になるほどバレエの本質からは離れて行ってしまいます。

規格が先だと「バレエっぽい」から抜け出すことがなかなか出来ません。

何故なら、規格に近付けるための体の使い方というのは間違いである場合が多いのです。

 

バレエを自分の体のレベルまで下げてはいけません。

自分の体をバレエのレベルまで上げましょう。

 

自然と5番に入っちゃうし、ターンアウトしちゃうし、つま先が伸びちゃう体を作れば良いのです。

体が勝手にバレエを踊ります。

だから一人一人が違う型になります。

定規や分度器できっちり計ったようにはなりません。