· 

自分の個性と理想のギャップ

今回の記事はボディビルのトレーナーが書いてます。


前回のソコロフの記事に対してTwitterのフォロワーさんが感想を書いてくれました。


これがとても興味深いのです。


「それぞれ持ち音(骨格や体型などによるもの)というのがあって、それを大切にするように、と教わりました」


「そうとは分かっていても、二人(ソコロフ、ホロヴィッツ)のそれぞれの音を自分のものにできないかと求めてしまいます」


「例え自分の持ってる音が理想とする音とかけ離れていても、自分にしか出せない音を愛し、自分らしい表現を考えるしかないのだと思いました。自分にとって偽りのない本物は、そこにしかないのでしょうね」


この気持ち、よくわかるというピアニストの方が多いのでは?


今回はボディビルからこのテーマを書いてみます。


私がボディビルに興味を持ったのは中学生の頃。

本屋でボディビル雑誌を立読みしたのが、きっかけでした。

雑誌には海外の有名なチャンピオンボディビルダーのトレーニングや食事法が細かく掲載されていて、それを暗記してしまうぐらい何度も何度も読んでたんです。


そして、雑誌に書いてあることや人から教えてもらったことを信じて、いろいろ試してみるわけです。

このトレーニングが効果的だと聞けばそれをやり、このサプリメントが効果的だと聞けばそれを飲み、ということを続けて体重もどんどん増やして100キロを超えて。


それなりに重いバーベルも持ち上げられるようになっていたので「ここから体重を落とせば自分もボディビルダーのような体になるに違いない」と思ってました。


そして、20代の中盤からボディビルの大会に出始めたんです。


でも、残念ながら私の体型は頭で思い描いていた体型とは違ったんです。

まず、脚が太いけど脚の脂肪がなかなか落ちない。


ボディビルの大会では可能なかぎり筋肉が大きくて、可能なかぎり脂肪が少ない体が求められます。


だから脚の脂肪が落ちるまで体重を落とさないといけないんですけど、そうすると今度は上半身の筋肉まで小さくなってしまうんです。

だから全体的に細くなってしまう。


私の場合、脚以外だと下背、下腹、背中、上腕三頭筋の脂肪が落ちない。

背中や肩の筋肉も大きくならない。腕も細い。


もちろん短所を改善しようと練習はしましたけど、生まれ持った体型、体質はなかなか変わりませんでした。


筋肉は全身まんべんなく鍛えても、全身まんべんなく発達するわけではありません。

筋肉がつきやすい部位、つきにくい部位、脂肪が落ちやすい部位、落ちにくい部位に分かれてしまいます。


だから、頑張って県大会に出ても毎回予選落ち。


続く。