昔の話です。
私にも土踏まずを鍛えた時期がありました。
私は元々、踵を踏んだ瞬間に、自然と土踏まずのアーチの頂点が突き上げられる感覚がありました。
特にポワント(トゥシューズ)を履いて踊ると、頂点がピンポイントで突き上げられました。
踵を踏んでつま先立ちになる瞬間に毎回土踏まずが突き上がるので、まだ未熟な身体であったのも原因ですが、とにかくつりそうなぐらい土踏まずが疲れるのです。
周りの子に聞いても、そこまで疲れる子はいませんでした。
当時の私は単純に「土踏まずが人より弱いんだ」と思い、鍛え始めました。
今も当時も足の裏を鍛えるという風潮がバレエ界には根強くあったので、私もセラバンドで土踏まずのトレーニングをしてみました。
セラバンドを使った瞬間から、う~んこれは…違うかも…と思いましたが、しばらく続けました。
結果は、確かに土踏まずは疲れなくなりましたが、突き上げられる感覚が薄くなりました。
それまでの私は、脚が遠くに引っ張られる感覚だったんです。
これは1つの動作。
それが土踏まずを鍛えた後は、一旦土踏まずを縮める、そして自分自身で引っ張るという感覚に変わりました。
「縮む&引っ張る」という2つの動作です。
脚の軌道も曲線的な感じから直線的になり硬くなりました。
日本では能動的に丁寧に身体をコントロールしやすいこの感覚を好むバレエダンサーが多いと感じます。
日本人は精神も身体も頑張った感を好みますし、正確にきっちりコントロールしたい人種なのかもしれません。
私はこの感覚を好きになれなかったので足裏トレーニングはやめました。
この後も、自分の感覚を信じていれば良かったのですが、その後に何度か血迷い足裏トレーニングを再開しては、やっぱり違うな…と思い直すという…。
まあ昔の私は身体の使い方に迷いに迷っていたので、気になったものは色々やってみました。
例え初めに違和感を感じたとしても、何か月かはそれを試しました。
とりあえず信じるところから始めようっていうスタンスです。
時間がかかっても、色々試してどんな結果になるか?を繰り返することで固定観念が無くなり洗脳がとけます。
全ての宗教に一旦は入信して、その後、自分教を作るようなイメージです。
ただなかなか自分の感覚を信じられず、やっと最近ようやく確信をもてることが増えてきたところです。
それでもまだ何か分かる度に迷いますけどね・・
とりあえず結果として分かったことをまとめると
・筋肉は強くなっても土踏まずの機能が強くなったわけではない
・むしろ機能は鈍くなった。
・そもそも縮めて引っ張る感覚は好みじゃない。
それは不自由で受動じゃない。
ホロヴィッツじゃない。
ロシアピアニズムじゃない。ということです。
続く。
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