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箱は倒れる、球は倒れない

絵の箱は中心に重心があります。

重心がはみ出すと箱は倒れます。

箱の中にいる人は、傾けば傾くほどお尻を引き重心を後ろに移動して、倒れないように頑張ります。

それでもこらえきれないと、左右どちらかの足を一歩踏み出して、勢いに逆らえなくなるとそのまま倒れます。

 

身体を支えるために必要な床面積のことを支持基底面と言いますが、支持基底面が広いほど安定します。

なので箱は動かさなければ、どっしりと安定しているのですが、動き出して支持基底面から重心がはみ出した途端に倒れます。


球は、支持基底面が狭く不安定ですが、倒れることはありません。常に倒れ続けながら安定しているとも言えます。


箱は支える(ささえる)、球はころがる、ゆれる、でバランスを保っているのです。

また、立位の重心は下げれば下がるほど倒れにくくなります。

なので全身の関節を曲げて身体を低く沈めて立ってしまうのです。

これが、床を踏めてない人が、バランスを崩したり、体幹が曲がってしまう原因です。

箱の中に入った人がバランスを保とうとする動き。

球の中に入っていればバランスは崩さないので、体幹も曲がりません。

バレエは球の中に入った白人が作ったので、球に入ることが出来なければ踊ることは出来ないのです。


箱のように支えて立っている人は、支える力を強くすればバレエが踊れると考えがちです。

でもこれだと自分の延長線でしかありません。

支える箱ではなく、ころがる球に体に変えましょう。