本来ならこの様な場合、脚の方から変えていく方が良いのです。
ピアノは座って弾くので、脚は関係ない様に思われる方もいると思いますが、普段の立ち方こそ上半身に、指先に、肘に、肩に、首に、音に、影響があるのです。
バレエでも手先に問題がある場合、脚の力の入る場所を変えただけで指の変な重さ、硬さが取れて動きが滑らかになります。
ただ今回、その子に直接指導する機会と時間がコンクールまでにとれなかったので、弾きながら出来る方法を選びました。
詳しくは書けませんが、強制的に身体の中心軸をとらえながらしか、鍵盤を押すことが出来ない方法です。
その子は始め「鍵盤が押しずらい、凄くつかれる、指先に力が入りづらい」と言っていたので、お母さんも心配していましたが、私にとっては想定内でした。
中心が強い人は末端に力が入りにくいのです。
この中心が強い人が時間をかけて末端にエネルギーを繋げていくことで指先の器用さだけでは出せない音が出せるのです。
その後、トレーニングをしばらく続けてもらい肩も下がりましたが、本人の体力がもたないので練習量が減ってしまうという理由でトレーニング抜きで練習を続けたところ、また肩が上がってしまったと言っていました。
このトレーニングというのは、決して激しい運動や筋トレではなく、ちょっとした細工をした椅子に座って弾くという、見た目には何が辛いのか分からない様なものです。
それでも、その子のついてしまった癖を使わずに、正しい音を出すのは、身体に負担がかかる様ですね。
本来ベストなのは、何かの才能を開花させたいとき、技術的な練習の前に、この様なトレーニングからスタートすることで、最終到達点が高くなるのです。ピアノやバレエに限らず、それぞれに基礎というものがありますが、それよりもう一段階前の
初期設定をしておくことが大事なのです。
バレエスタジオビートは初期設定により身体の条件を整えることに特化したスタジオです。
肩を下げなさい、と言われても、それは対処療法なので、根本解決にはならないのです。
もし、その子が頑張り屋さんで肩を無理やり下げた場合、他に問題が出てくるでしょう。
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